What you learn
この資料でわかること
生成AIを社内で使うときに経営者が決める3つのルールと、その決め方がわかります。設定の手順と社内規程の文例も収録しています。
- 01 社員が使うAIサービスと契約の決め方 法人向けと個人向けの契約の違い、学習利用の停止、ChatGPT・Claude・Gemini・Copilotの設定手順(05〜09章)
- 02 AIに入力してよい情報の線引き 顧客情報・社内資料・取引先の情報を区分し、入力の可否を社員が自分で判断できるようにする方法(04章)
- 03 AIに任せる操作と承認の手順 送信・更新・削除など、AIに実行させる操作の権限と、人が承認する範囲の決め方(15〜16章)
Contents
目次
- 01 情報漏えい事案の教訓と生成AIのセキュリティ対策
- 02 本ガイドの対象読者と参照方法
- 03 生成AIセキュリティ対策の全体像
- 04 生成AIへの入力情報の選別
- 05 生成AIサービスの学習利用・公開リンク・外部連携の確認
- 06 ChatGPTの設定
- 07 Claudeの設定
- 08 Geminiの設定
- 09 Copilotの設定
- 10 生成AIのアカウントの共用リスクと個別管理
- 11 共有ファイルの閲覧権限の点検と制限
- 12 会社が把握していない生成AI利用(シャドウAI)への対応
- 13 生成AIの誤った回答(ハルシネーション)の確認と対策
- 14 AIの実行環境の選択と分離
- 15 AIに付与する権限の設定
- 16 送信・更新・削除の承認
- 17 AIの利用量と料金の上限管理
- 18 退職・契約終了・異動時のAI利用権限の変更
- 19 情報の誤入力・不審な動作が発生した場合の初動対応
- 20 用語の定義と参照した公式資料
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01〜02章を読む
01 情報漏えい事案の教訓と生成AIのセキュリティ対策
2026年9月から10月にかけて、国内で不正アクセスによる個人情報漏えいの公表が相次ぎました。10月7日に個人情報保護委員会、8日にJPCERT/CC、9日にIPA、総務省、経済産業省、金融庁が相次いで注意喚起を出しています。[S20・S21・S22]
IPAは、特定の製品の欠陥を突いた攻撃とは断定せず、外部に公開したアプリやサービスの侵害と、アカウントの侵害を起点として挙げています。[S20] また、JPCERT/CCは、スマートフォンアプリから取り出した接続用の鍵で内部の仕組みを操作された例や、別のシステムから盗まれた鍵が使われた例を報告しました。[S22] さらに、国家サイバー統括室は、不要な情報の保有や権限の管理が不十分だと、一度の侵入で被害が大規模になると指摘しています。[S23]
これらの事案は、生成AIが原因で起きたものではありません。これらの事案から得られる教訓は、外部から侵入される経路の削減、過剰な権限を持つアカウントの作成防止、不要な保有情報の削減の3点です。
生成AIを業務に導入する場合は、AIへの入力情報、AIに付与する権限、AIの接続先についても対策が必要です。本書では、それぞれの許可範囲の決め方を説明します。
なお、端末の更新、パスワードの強化、二段階認証、バックアップといった従来の対策は、引き続き必要です。従来の対策についてはIPAや個人情報保護委員会の資料に詳しい説明があるので、本書は生成AIに関わる対策に絞ります。[S20・S21]
02 本ガイドの対象読者と参照方法
本書は、情報システムの専任者が少ない中小企業の経営者に向けたガイドです。AIを使う範囲を決め、社員に伝え、必要な設定を社内の詳しい人や外部の支援会社に依頼できるように構成しています。
経営者による利用方針の決定と設定作業の依頼
経営者が決めるのは、使ってよいAI、入力してよい情報、AIに任せる操作の範囲です。判断を社員に任せる場合は、その範囲を決めておきます。入力に迷ったときや事故が起きたときの連絡先も、社員に知らせてください。
利用画面の操作手順は、AIを使う本人が実施する想定です。会社全体の設定や技術的な検証は、管理画面を操作できる社員や支援会社に依頼します。以下では、この依頼先を「設定担当」と呼びます。専任部署や新たな役職を設ける必要はありません。経営者自身が設定する場合も同じ手順を使えます。
| 確認したいこと | 参照する章 |
|---|---|
| 入力してよい情報とサービスの設定 | 04〜09章 |
| アカウント、共有範囲、社員の利用、回答の確認 | 10〜13章 |
| 専用端末、仮想環境、SaaSの選び方 | 14章 |
| AIに操作を任せる場合の権限と承認 | 15〜16章 |
| 従量課金・自動処理の上限 | 17章 |
| 退職・異動時の権限変更、事故時の対応 | 18〜19章 |
利用機能に応じた対策の適用範囲
04〜13章と18〜19章は共通対策です。利用しているサービスや機能に該当する内容を確認してください。14章はAIを動かす場所の選択、15〜16章は操作を任せる場合、17章は従量課金または自動処理を利用する場合に参照します。
アカウントと契約の区分
「会社承認アカウント」は、会社が利用を認め、誰が使い、どのように設定しているかを把握できるアカウントです。このうち、会社が発行・管理するものを「会社アカウント」と呼びます。「私用アカウント」は個人が所有するものです。
「個人向け契約」は料金プランの区分であり、アカウントの所有者とは区別します。個人向け契約を認める場合も、会社で利用条件を決めます。
操作手順とサービス条件の確認時点
本書の操作手順とサービス条件は、2026年10月11日から18日にかけて公式資料で確認しました。10月20日に、料金上限、共有、管理機能、ローカルLLM、SSO等の関連資料を追加確認しています。
手順はブラウザー版の画面が基準です。アプリ、表示言語、契約によって項目名や順番が変わります。見つからない設定は、推測で別の項目を変えず、巻末の公式資料で確認してください。
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